カリフォルニアでくらべてみました

海外暮らし、旅、時々インテリア

ちきりんの「未来の働き方を考えよう」を読んで

こんにちは。

引きの強いburameです。

今日スーパーのくじ引きで$100当てました。

もう今年の運も使い納めですかね。

 

さて、今日は最近読んだ本のレビューでもしてみようかと。

読んだのはこちら↓

 

ちきりんのブログは以前からたまに読んでいて、著作を読むのもこれが3冊目です。

この本のタイトルを見たとき、何かビビっとくるものを感じました。というのも「働き方」というのはまさに私が渡米するにあたりじっくりと向き合いたいと考えていたテーマだったからです。

渡米にあたり、私は好きで働いていた会社を退職し、インテリアコーディネーターとしてのキャリアを中断することに決めました。理由は割愛しますが、この本を読んで私がぼんやりと感じていた不安だったり行き詰まり感がより鮮明になった気がします。

 

さて、レビューです。

前半は現代社会で起きている大きな変化とこれから私たちが直面するであろう事態についての分析で、後半ではそんな社会を生き抜くための従来とは違った働き方や考え方が提案されています。

第一章では日本国内の変化について取り上げ、年金支給年齢が引き上げられていくことに対し、今の働き方を70歳まで続けたいか(そもそもできるのか)、国の財政に振り回されて仕事しかしないまま人生を終えたいかといった問題提起がされています。さらに、今後国内経済が縮小するに伴い海外で働く人が増えることが予想されるが、そうなったときに家族のあり方やキャリアの積み方が変わってくるよねという話も。

続く第二章では、日本国内だけでなく世界的なレベルで起きている大きな変化を下記の3つの視点でまとめています。

  1. IT革命→大組織から個人へのパワーシフト
  2. グローバリゼーション→先進国から新興国へのパワーシフト
  3. 長寿化→ストック型からフロー型へのパワーシフト

この中の特にグローバリゼーションのところを読んだときは、お腹の底からひんやりしてくるような不安感に襲われました。閉塞感だらけで息苦しい日本って嫌だなと思うこともありますが、なんだかんだ言っても私たちはたまたま日本人に生まれたというだけで世界で最も恵まれたグループにいるんですよね。「同一労働・同一賃金」というスローガンは国内の格差是正を訴える人々にはポジティブな概念として使われているけれど、それは新興国が先進国から雇用を奪うことを正当化する論理になり得るんですよと言われた時ははっとしました。そして、これから日本をはじめとする先進国では高齢化・人口減少が進んで年寄りばかりの国になる一方、新興国ではどんどん人口が増えており、若い労働力も多く、経済成長に合わせて消費も活発になります。さらにインターネットの普及により教育コストが下がっており、貧しい国でも多くの人々が教育を受けられるようになることで今後優秀な人材が多数出てくることが予想され、これまで先進国の優位性は高い教育水準により維持されてきたけれど、今後は若くて勢いがあり教育水準も上がった新興国と年寄りばかりで経済も停滞している先進国を比べたとき、どちらが新しい価値を生み出せるかといったら前者でしょうという部分を読み、なんとも暗澹とした気持ちで、”既得権益”という言葉が頭に浮かびました。”既得権益”と聞くと、大企業とか官僚とかお金持ち連中が牛耳っていて、それを手放さないから富が偏ったり、政治が腐敗するみたいなイメージがありますが、我々庶民だって”日本人”という既得権益にしがみついてるんだと気づかされました。

 

ちなみに1のIT革命では、IT技術の進歩により国家や大企業の力が弱まる一方、従来個人では持ち得なかった資金やインフラを入手することが可能になったため、個人でも新しい可能性を追求できる機会に恵まれるようになったという内容です。

3の長寿化では、医療の進歩により人生100年という時代が来るという予測から、半世紀も同じ仕事を同じような働き方で続けるのは現実的ではないとし、さらにそんな長寿社会ではいくらストック(資産や人とのつながり)を持っていても、どれだけ必要かはいつまで生きるかによって大きく変わってくるのだから”これだけあれば十分”ということはわからないですよと。で、ストックがいつ尽きてしまうか不安に怯えながら生きていくのはつらくないですか?それよりも年をとってもちょこっと稼いだり、人とのつながりを新たに広げていけるようなフローの力を鍛えた方が楽しく生きていけそうじゃないですかというお話になっています。

ここまでが前半の内容です。こういった社会の変化を受けて、若者の中にこんな働き方をする人が出てきていますよという紹介をし、その後ちきりんが考える新しい働き方を提案しています。

ちきりんがすすめるのは、職業人生を新卒から定年までの一本道と捉えるのではなく、40代までを前半戦、それ以降を後半戦という感じで分けて考えるということです。

海外旅行や家づくりを例に挙げて、一回目はパッケージプラン(みんなが見たいもの、ほしいものがつまっている)の方が経済的だし安心だけど、二回目の同じ旅行先や家づくりであれば、一回目の経験を経て自分の好みや価値観がクリアになっているので、より自分に合った旅行や家づくりが可能になるとし、これは働き方にもあてはまり、ある程度経験を積んだ40代だからこそ本当に自分に合った働き方を選べるのではないかとのことです。

とは言ってもお金がないと・・・という反論に対しては次の章で発想の転換をしてみませんかと提案しています。生涯必要なお金は収入の大小ではなく、支出のマネジメントや家族構成、寿命で決まるものなので、支出のコントロールができなければお金持ちでもお金の不安は尽きないし、いつまで生きるかわからない時代にこれで十分という額はわからないのだから、自分の送りたい人生にはどの程度の支出があるのかを把握して貯蓄し、予想より長く生きてしまったら年金や社会保障に頼るという割り切りも必要ではないかとのこと。また、家族構成も多様化しているのに、皆が一律定年まで働かなければならないのかというのも考えてみるべきとも。確かに子どもの有無・共働きか否かによって支出と収入は大きく異なりますよね。それなのに定年という杓子定規で働く期間を決めるということに違和感を持ちました。 

この後半については本当に気づきも多いし働き方を見直してみるってワクワクするし楽しいなと思う反面、ちょっともやっとするところもありましたので、以下もやっとポイントを箇条書きです。

 

・40代で働き方を変えるという発想はいいなとは思いますが、子どもがいたり家のローンがあったり要介護の家族がいることも多い40代で、こんな生き方を選べる人がどれ程いるだろうというのが正直な感想です。ちきりん自身に子どもがいないせいか、なんだか他人事感がありました。自分だけなら好きなことをして貧しくなっても耐えられるかもしれないけれど、家族のいる人がそれを選ぶのってかなり勇気もいるしリスクも高いかと。まあこれだけ早いスピードで社会が変わっていく中で安全な会社なんてないし、そのまま同じ仕事を続けていくことこそが大きなリスクとも言えるけど、せめて子どもが就職するくらいまではあまり波風を立てたくないのが親心では?

 

・第五章の中で将来のお金の心配をしたってきりがないし、それよりも明日終わるかもしれない今を後悔のないように生きようといったことを言っており、それには共感しますが、これは本当にお金に困ったことのない人のポジショントークのようにも感じました。ちきりんは会社をやめたとき、ブログで食べていけるとは思ってなかったし、お金に困ったらバイトすればいいし好きな旅行も貧乏旅行でもそれなりに楽しめると言っていますが、結局ブログは人気で本もよく売れ、その前は外資系企業のバリキャリでそれなりの貯蓄もあったでしょう。さらに、一度やめてもその肩書きと経験値があれば、やる気さえ出せば再就職してそこそこ稼げるという自信もあったと思います。

そんな人にお金のことは気にするな、支出をおさえればなんとかなる!と言われても・・・。贅沢をせず支出を抑えればいいと言ってますが、快適な暮らしをしたいという誰もが持つ基本的をあまりにも軽視しているような感じがします。

好きな働き方ができるなら、気持ちのいい暮らしができなくても仕方ないよね、好きなことできる生き方の方が幸せだよね、どちらもほしいなら稼げるようになるしかないよね、と最後の肝心なところであとは”自己責任”と突き放されているような感じがします。

 

・一流大学や大企業を目指す意義が失われつつあるとありますが、やはりまだしばらくはそういった肩書きにはかなりの価値があると思います。現に、ちきりんも”元大手外資系勤務”という経歴があるからこそ、ちきりんの文章を初めて読む読者もある程度の関心や信頼感を持ってその主張を受け止めるんじゃないでしょうか。ちきりん以外にもホリエモンや辛辣なコメンテーターといった、めちゃくちゃなことを言ったり人とは違うことをする人も大抵みんな高学歴ですよね。そういう人の言動は何も肩書きがない人が同じことをするのと比べ、”賢い人の変わった言動”ということで、人々の興味を引くしある程度信頼して受け止めてもらえますよね。

また仮に途中でやめることになったとしても、日本という国では「そこに入れた事がすごい」と評価する風潮があるので、卒業できなかったり入社三年以内にやめたとしても、そこに入れたというその事実だけで、三流大学や中小企業からやってきた人よりも大きなアドバンテージがあります。

というわけで、グローバリゼーションの広がりによって国内の一流大学や大企業を目指すメリットは失われつつあるかもしれませんが、単にその対象が海外の大学や企業に取って変わられるだけであり、好みや生き方が多様化する時代になったとしてもそれを持つことに優位性がある限り、お受験や就活等の熾烈な競争は避けられないのではないかと思います。

  

以上がもやっとポイントです。

もやっとしたりもしてますが、逆に自分の考えと完全に一致する本って、結局読んでも何も変わらないってことですからそういう意味ですごく得るものが多かったし、自分でいろんなことを考えるきっかけをくれたので本当に読んでよかったです。

 

この本の中に出てきたマーケット感覚についての本も合わせて読んだので、こちらについてもまた追々レビューしたいなと思います。

 

それではまた

burame 

 

本のレビューは他にも↓ 

burame.hatenablog.com

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