最近HGTVにはまってます。
HGTVとは、"Home & Garden Television"の略で、アメリカのケーブルテレビのひとつです。
リノベーションや物件探しなど、住宅に関する様々な番組を一日中流しています。
HGTVが出してる雑誌は何冊か買ったことがあって、ある日ふと、
「TVって言ってるくらいなんだし、テレビ番組もやってんのかしら…」
と思い、テレビの番組表を探してみたところありました。アメリカは番組数が多すぎて、探そうと思って探さないとなかなか見つからないんですよね。もうちょっと早く気がつきたかった・・・
その日からというもの、暇さえあれば見てます。
一番好きなのは"Fixer+Upper"
大工のChipとデザイナーのJoanna夫婦による大人気のリノベーション番組です。
この番組の魅力は二人の人柄と仲睦まじい様子、そしてJoの抜群のセンスです。インテリア自分でやるよりJoにやってほしいって思っちゃいますもん・・・
テイスト的には大枠ではナチュラル。細かく言うとコージー・シャビー・インダストリアル・フェミニンという感じで、クライアントに応じてそのバランスは微妙に異なります。だけどどれもJoらしさがあって、毎回どんな感じになるのか楽しみです。
また、日本のリノベ番組では見たことがなくて面白いのは、番組序盤の物件探しです。(最近はあるのかもしれませんが)
最初にクライアントと3件くらい中古物件(たまに空き地も含む)を見に行き、もしここをリノベするならこんな風にしたらいいという話をします(番組中では現状の画の上に改装イメージのスケッチが重ねられてわかりやすい)。
見に行く物件は築50年以上なんていうのも出てきますし、荒れ放題の廃墟のようなものもあります。そんな中からどういう所が気に入って、どれを選ぶのかというところにアメリカ人の住宅への考え方が伺えて面白いです。
そして、中古物件を見る中で最も興味深いのはキッチンです。
中古物件のキッチンはいかにも昔の"アメリカンカントリー"という感じの木が重めのデザインで、間取りもリビングダイニングからは隔離されたクローズドなのが多いです。大抵のクライアントはキッチンを見ると”狭い・暗い・古臭い”といったネガティブな反応をします。
古いキッチンとリノベ後のキッチンを見ることで、住宅の中でのキッチン位置付けだったり、トレンドの移り変わりを知ることができるのも見所の一つだと思います。
人間ドラマを垣間見る"Love It or List It"
コンセプト的にはこれが一番斬新で面白いです。
まず現在の家に不満のあるクライアントの暮らしぶりが紹介され、大抵カップルの片方はリノベでは限界があるから引越したいと思っていて、もう片方はリノベしてある程度不満が解消できたら住み続けたいと思っています。
そこへインテリアデザイナーのHilaryと不動産エージェントのDavidが登場。
Hilaryはリノベして引き続き住んでもらえるよう奮闘し、対するDavidはクライアントの希望を叶える魅力的な物件を探してきて案内します。
そして最終的にクライアントは、リノベした家に住むのか(=Love it)、またはその家を売って紹介された家を買うのか(=List it)というジャッジをし、これにてHilaryとDavidの勝敗が決まります。
この前見ていて面白かったのは、若い夫婦と小さい子ども2人の4人家族の話で、お母さんはLDKをなんとかしたいという想いに加えて、長時間通勤をやめたいのと、自分のジムスペースを希望しており、当初は引越し推進派でした。
この家族に対してDavidが最後に紹介した物件は、お母さんの希望を全て叶え、さらに屋外にプールまでついてるものでした。予算内でもあるし、希望の条件を満たしてさらにプールまでついてる。そしてゴージャス。
対する元の家の方は、リノベでLDKとBathは素敵になったけど、予算の都合でジムスペースは手付かずでしたし、長時間通勤は従来と変わりません。
見ていて「もうこれは間違いなく"List It"でしょ」と思いました。
ですが結果は "Love it"。
この家には子ども達が育ってきた思い出がたくさんあるし、子連れ通勤は大変だけどそれは大した問題ではない、だからここに住み続けたいという結論でした。
条件だけ見れば明らかに紹介物件の方がいいと思いましたが、それだけでは割り切れない心情が表れててなんだかグッときました。
クライアントの心情もさることながら、私はインテリアに携わった者としてHilaryの気持ちにも思いを馳せてしまいます。上記の回ではHilaryの勝利ですが、それ以外の回では結構頻繁に負けています。それを見るたび、クライアントの暮らしが良くなるよう試行錯誤したオンリーワンの家が、ただ条件が揃っているだけの不特定多数に向けた物件に負けるというのは、身を切られるような悔しさだろうと思います。
まあ素敵な物件に生まれ変わったことで資産価値が上がるので、クライアントにとってはそこに住んでも売ってもいずれにせよハッピーなんですが、デザインする側からすると、"その家族のためのデザイン"と"売れるデザイン"は違いますよね。そこの微妙なバランスを見極めながら、クライアントに喜んでもらえるよう完成させた家なので、頑張ったからにはやはりそのクライアントに住んでもらいたいだろうな、と思います。
物件探しのHouse Hunters
こちらは物件探しに特化した番組。
クライアントが複数の家を見に行って、そのどれかに住むというもの。
アメリカの家族が家に求めるものや予算、住宅のトレンドなんかがわかって面白いです。
例えばベッドルーム。
二人暮らしであっても2ベッドルーム以上が当たり前という感じがあります。
来客用であったり、将来子どもができた時のことを考えてのことだとは思いますが、予算が全然ないカップルですら、そこは譲れないという感じだったのには驚きました。
他にも、そこは気にするけどここは気にしないんだな〜という違いを見つけるのもおもしろいです。
ちなみに、この番組を見ていて最初に覚えた単語は、
compromise 妥協
今まで何度か調べたことがあったけど覚えていない単語の一つでしたが、この番組では頻出単語だったのでついに覚えてしまいました。
家探しとは切っても切れない言葉ではありますが、なんだか切ないです・・・
HGTVで英語を学ぶ
上記のように、何度も出てくる言葉は覚えやすいですね。
建築やインテリアに関する用語も覚えたいと思っていたので、見ているうちに自然と知っている言葉が増えていくのがすごく助かります。
そして出てくる人たちの会話は、海外ドラマを見るのと同じような感じで英会話の勉強になります。ですがドラマのようにセリフが決まっているわけではないので、より砕けてるというか、一般人が話すナチュラルな会話を聞けるのがいいなと思います。字幕をオンにしたら何を言ってるかもわかりやすいので、追っかけて読んだりしてます。
続けていくうちに英語上達するといいんですが。
ちなみにHGTVはHuluで配信されています。(日本のHuluでも見れるのかな?)
Netflixユーザーではありますが、HGTVの好きな番組を見たり、同じ話をもう一回見たりしたいので、Huluにも入ろうかなと思ってるところです。
それではまた。
burame
〜過去のインテリア関連記事はこちら〜